Aug 23, 2023
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はじめに 近年、ベトナムオフショア開発は日本のIT人材不足を補い、時間・コストを削減しするソリューションだけでなく、ビジネスの競争力を高める戦略として注目してきました。 過去10年間で、ベトナムのIT産業は飛躍的に成長し、ベトナム国外の企業の注目と投資を引き付けることに成功し、世界のIT地図に強い印象を残してきました。 グローバルなITサービスに対する高い需要が、ベトナムのIT企業の急増につながっています。ベトナムの情報通信技術省によると、2017年から2021年の間に、ICT企業の数は年平均約7%の割合で増加しました。2023年5月までに、ICT企業の数は約71,500社に達すると報告されました。 現在、多くのICT企業が存在するため、自社に適したパートナーを見つけるのは容易ではないかもしれません。また、「ベトナムのIT企業はどのような価値を提供できるのか?」といった質問もまだあります。そこで、今回記事を通して、あなた自身の答えを見つけるために深く掘り下げてみましょう。 まず、ベトナムのオフショア開発の現状、最新動向及びメリットをご説明させていただきます。 ベトナムオフショア開発の現状・動向及びメリット ベトナムがオフショア開発先として人気の国で1位を獲得 2022年の「Offshore Kaihatsu」の報告によると、ベトナムは日本企業にとって最も人気のあるアウトソーシング先として選ばれています。次いでフィリピン、インド、中国、バングラデシュとなっています。 日本企業がオフショア開発を進める際の最大の目標はコスト削減です。また、オフショア開発は日本国内で深刻なIT人材不足問題解決への道として導入されています。では、日本の最人気のあるオフショア開発パートナーとなるベトナムは、他国と比べてどのような優位性があるのだろうか。さらに掘り下げてみましょう。 ベトナムオフショア開発の動向 ベトナムのオフショア開発市場は近年急速に成長しているので、多くの企業がこの成長を利用しています。以下では、ベトナムのオフショア開発の動向をいくつかの側面から解説します。 発展している業界・分野 ヘルステック:ベトナムの高いスマートフォン利用率(2022年時点で73.5%)およびCOVID-19の影響により、国内市場での医療技術が促進されました。近年、多くのベトナムITサービス会社は日本をはじめとする世界各国の企業にパートナーとなっています。 エドテック:ベトナムのEdTech市場は2023年に30億ドルに達すると推定されています。2022年には100以上のEdTechスタートアップがベトナムで生まれました。Topica、ELSA、CoderSchool、EdmicroやEducaなどのベトナムのEdTech企業は数百万ドルを成功に調達しました。 不動産テック:ベトナムの不動産市場が2030年までに国内経済資産の22%を占めると推定されました。これはプロプテック企業が加増することに寄与します。2021年時点でベトナムには150を超えるプロプテック企業が存在します。 フィンテック:2019年、ベトナムのFinTech分野はASEAN諸国で2位の資金調達を達成し、域内の総資金の36%を引き寄せました。2021年にベトナムは約 154 社の FinTech 企業を擁し、電子ウォレット決済やP2Pレンディングに重点を置いています。特に、ベトナムのFinTech企業の中には、VNPAYやMomoのようなユニコーン企業が続々と登場しています。 スマートシティ:現在、63のベトナムの都市と地域のうち48箇所がスマートシティの開発を承認されています。ベトナム政府はスマートシティのイニシアチブを奨励し、民間セクターが都市インフラの効率的な開発と管理のためのソリューションやサービスを提供することに許可しています。 新興技術能力 ブロックチェーン: ベトナムの国内ブロックチェーン市場は2026年までに25億ドルに達すると推定されています。ベトナムはまた、2022年の暗号通貨の採用指数で1位にランクされています。2022年、内務省はブロックチェーン技術の研究と導入を推進するためにブロックチェーン協会の設立を承認しました。 AI(人工知能): イギリスのUK’s Oxford Insightsが公表した2022年の政府AI準備指数レポートによれば、ベトナムはASEAN諸国の10カ国中6位、世界で55位にランクされています。また、ベトナムはクイニョン(Quy Nhon)のAI Valleyに国家AI研究開発プログラムを導入する予定です。 技術スタック ベトナムで、JavaScriptは最も一般的なプログラミング言語であり、React、Node.js、およびAngularはJavaScriptのフレームワークとしてトップ3の選択肢です。若く情熱的なベトナムIT人材はさまざまな言語とフレームワークを扱うことができるため、外国企業からの要求に迅速に対応できます。 ベトナム市場についてさらに理解し、ベトナムをオフショア開発の先として選ぶ利点と機会を詳しく知りたい場合は、弊社の「Vietnam’s IT Services Industry」Eブックをご覧いただくことをお勧めします。 ベトナムにおけるオフショア開発を選ぶ理由? 日本企業にとってベトナムはどんな魅力があるのか?さらに掘り下げてみよう! 豊富な高品質のIT人材 2022 Top Devレポートによると、ベトナム全国には約48万人のプログラマーがおり、148の大学がIT教育プログラムを提供しています。毎年約57,000人のIT卒業生が市場に送り出されています。ベトナムのIT人材の能力も高く評価され、数々のランキングや国際的な認定によって証明されてきました。 近い地理的隔離と近い文化 ベトナムと日本の時差はわずか2時間です。また、ベトナムと日本は伝統的な文化、祭り、文字、教育制度などで多くの共通点があります。ベトナム人は努力家で責任感があり、日本人と似た価値観を持るため、お互いの仕事スタイルを理解しやすいです。さらに、2つの国の地理的距離が近いため、出張などの際にも便利です。 日本語と英語によるコミュニケーション能力 ベトナムの文化的な類似性、特に漢字が似ていることから、ベトナム人は日本語を学びやすい環境にあります。実際、2021年の調査によれば、ベトナムは日本語学習者数と日本語能力試験(JLPT)受験者数において世界有数の国とされています。LTSグループでは日本語だけでなく英語でもコミュニケーションが可能です。 コスト効率 中国やフィリピンと比べても、ベトナムはオフショア開発価格を提供しています。 人月単価(万円) プログラマー シニアエンジニア ブリッジSE PM […]
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Aug 9, 2023
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Standish Groupの2015年のレポートによると、成功したソフトウェアプロジェクトの数は29%を占め、52%のプロジェクトが課題に遭遇し、19%のプロジェクトが失敗または途中で中止されました。ソフトウェアプロジェクトの失敗の原因として最も多いのは以下の通りです。 そして、SDLC(ソフトウェア開発ライフサイクル)を採用することで、プロジェクト失敗のリスクを減らすことができます。では、 SDLCとは 何でしょうか?そして、SDLCはフェーズを含んでいます。以下の記事で調べてみよう。 I. SDLCとは ? SDLC(ソフトウェア開発ライフサイクル)は、多くの企業が自社製品に適用している馴染みのあるプロセスです。IT業界では、SDLCは、技術エンジニアがデザイン、開発およびテストを徹底的で適切に行えるように支援します。SDLCがソフトウェア製品に適用されて以来、多くの高品質のアプリが作成され、継続的に改善され、ユーザーの体験が向上しています。では、SDLCとは正確にどのようなものでしょうか? このプロセスのフェーズとは? この記事で調べてみましょう。 SDLCは、Software Development Life Cycle(ソフトウェア開発ライフサイクル)の略です。SDLCでは、ソフトウェアアプリ開発の各フェーズとタスクがプロジェクトの当事者によって提示および計画されます。プロジェクトのすべてのステップと詳細が明確になると、監視と制御が簡単になり、プロジェクトが順調に進むことが保証されます。 SDLCのすべてのフェーズで、当事者は詳細な分析を通じてプロジェクトを実行するための最も効率的な方法と回避すべき問題を特定できます。理想的な方法としては、分析は技術調査、市場調査、費用便益分析に分けられます。技術調査では、チームがすべてがどのように構築およびテストされているかを把握することができるように、開発とテストが提示される必要があります。 「ソフトウェア開発とは?知っておくべき基本知識」はこちら。 II. SDLCの基本フェーズ? 完全なSDLC(ソフトウェア開発ライフサイクル)は、次の6つのステップで構成されます。 オリジナルのSDLCは、特定の順序の特定のステップで構成されています。ただし、これはすべての企業で共通するわけではありません。実際、SDLCはより小さな単位に細分化することができます。一部のプロジェクトマネージャーは、開発プロセスに不要だと考えた特定のステップを組み合わせたり、分割したり、省略したりすることもあります。 1. 要件の収集と分析 アプリを開発する前に、アプリの範囲と目的を明確に定義することが非常に重要です。そうすることによって、プロジェクトが本来の目的から拡大または変更されないようにするための境界線を引くことができます。このステップでは、プロジェクトの当事者、プロジェクトマネージャー、およびチームリーダーが協力して機能を想定する必要があります。当事者はまた、予算と技術の両方の観点から、プロジェクトの要件を決定する必要があります。 実際、この段階では、ソフトウェア会社はプロジェクトに関する一般的な質問セットと、特定のプロジェクトに対して行うべき特定の質問を用意してくれます。 開発会社は、依頼者の要件を収集した後、要件をまとめ、システム開発の基礎となる「要求仕様」を作成します。この資料は、プロジェクトライフサイクル全体でデザインおよび開発されるすべての製品要件を示しているため、ソフトウェア開発プロセスにとって非常に重要です。プログラマーやテスターなどの関連部門が、この資料の詳細な機能説明に基づいて作業を実行し、「ソフトウェアは何をするのか」という質問に答えていきます。 2. 製品アーキテクチャのデザインとプロトタイピング デザイン段階には、ソフトウェアアプリの構築に必要なすべての「図」が含まれ、場合によってはプロトタイピングも含まれます。 デザインは、次の機能で指定される必要があります。 プロトタイピングステップのアウトプットは、ソフトウェアアプリの初期バージョンであり、基本的なアイデアと、アプリの外観と動作を見せます。このプロトタイプから、フィードバックを取得して、アプリを改善できます。 3. ソフトウェア開発 上記の3つのステップは、構築するソフトウェアアプリの「準備」と見なすことができますが、ソフトウェア開発の段階では、コーディングとプログラミングが実際に開始されるときです。このフェーズを成功させるために最初に必要なことは、ユーザーガイド、トラブルシューティングガイド、FAQ、ソースコードなどを含む完全な資料を用意することです。 このフェーズでは、合意されたプロトタイプに基づいて、開発者チームが適切にアプリをプログラムします。求めた機能とモジュールは予定通りに実行されます。すべての計画が完了した際には、各モジュール、タスク、または最終バージョンのスケジュールも確定される必要です。そうすることで、無駄な時間をなくすことができるのです。詳細なスケジュールは、ビジネスの規模を拡大し、立ち上げの準備をするのに大きな役割を果たします。 アプリの機能はより小さなタスクに分割され、プロジェクトマネージャーはそれらを管理する独自の方法を取ります。 4. SDLCでのソフトウェアテスト ソフトウェアテストは、ソフトウェアアプリを成功させるための重要な部分と見なされています。アプリストアにリリースする前に、チームは手動と自動の両方でテストを実行して、すべてが想定どおりに機能することを確認する必要があります。 テストにはさまざまな種類がありますが、1つのアプリで必ずしもすべてのテストを行うべきではありません。アプリの規模と機能の数に応じて、テストリーダーは実行するテストの種類を決めます。通常、アプリはシミュレートされた実稼働環境でテストされます。これによって、アプリが実際にどのように機能するかを確認できます。現在、多くの企業が本番環境でのテストを選択していますが、ユーザーの体験に影響する可能性があるため、お勧めではありません。 全体として、チームはテストフェーズを通じて、ラグ、バグ、およびグリッチを減らすことができます。ソフトウェアアプリが適切に機能することで、ユーザーの満足度と使用率の向上を期待できます。 関連記事: 5. 展開 アプリは、展開フェーズにもユーザーが利用し続けることができるように作成されます。多くの企業は、展開ステップを自動化することにしています。これは、会社のウェーブサイトの支払いポータルやダウンロードリンクと同じくらい簡単です。スマートフォンにアプリをインストールする形でもあります。 展開は難しい場合があります。例としては、全社的なデータベースを新しくデザインされたアプリに移行することです。データベースは他の多くのシステムに依存しているため、アップグレードの統合には更なる時間と労力がかかる場合があります。 6. 運用および保守 これは、開発サイクルがほぼ終了するSDLCの最後のフェーズです。これで、ソフトウェアアプリの作成が完了し、使用されています。規模が拡大してユーザーが増えると、テスト段階で見つからなかったバグを発見する可能性があります。これらのエラーは処理および解決されます。 反復型開発のようなモデルは、パッチの発行に加えて、将来のリリースで追加機能を提案します。新しいリリースごとに、新しい開発サイクルを開始できます。 LTSとSDLC( ソフトウェア 開発ライフサイクル )について相談する SDLCは、完全に機能するソフトウェアアプリを構築する方法のバックボーンと見なされます。最善の結果を得るためには、全体的な品質を保証できるように、プロジェクトをサイクルのすべてのフェーズに適用することがお勧めです。一方、プロジェクトマネージャーは、独自の方法でアプリを構築することもできます。 […]
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Sep 15, 2023
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ブロックチェーンは、近年急速に注目を集めている技術で、その革新的な仕組みから多くの産業での活用が期待されています。本記事では、ブロックチェーンとは一体何なのか、その仕組みや特徴、そしてどのようにブロックチェーン活用されるのか、詳しくご説明します。 ブロックチェーンの基本とは何か? ブロックチェーンとは? ブロックチェーンは、分散型台帳技術とも呼ばれ、データをブロックと呼ばれる小さな単位に分割し、それを鎖のように連結して記録する仕組みです。この連鎖が時間的に続き、新しいデータが追加されるたびに新しいブロックが作られ、ネットワーク全体にコピーされます。これにより、データは一度記録されたら改ざんが非常に難しく、信頼性が高まります。 ブロックチェーンの仕組み ブロックチェーンはP2Pネットワーク、ハッシュ、電子署名、コンセンサスアルゴリズムという要素に基づいています。これらの要素はブロックチェーンの仕組みを支える重要な役割を果たしています。以下では、これらの要素を詳しく説明していきます。 1. P2Pネットワーク ブロックチェーンは、分散型のP2Pネットワーク上で運用されます。このネットワークには、参加する多数のノード(コンピュータ)があり、各ノードは同等の権限を持ち、データのやりとりを行います。中央集権的な管理者やサーバーが存在せず、ノード同士が直接通信するため、システム全体の信頼性が向上します。 2. ハッシュ ハッシュは、ブロックチェーン内のデータを識別するための固有のデジタルフィンガープリントです。ハッシュは特定の入力データから生成され、固定長の一意の文字列として表現されます。ブロック内のすべてのトランザクションデータと前のブロックのハッシュが、新しいブロックのハッシュを計算するために使用されます。これにより、ブロック間の連鎖が確立され、データの改ざんが困難になります。 3. 電子署名 ブロックチェーン上のトランザクションは、送信元を証明するために電子署名が使用されます。電子署名は、トランザクションを生成したユーザーによって生成され、そのトランザクションが改ざんされていないことを確認します。公開鍵と秘密鍵を使用して署名が生成され、他のノードは公開鍵を使用して署名を検証します。これにより、トランザクションの信頼性とセキュリティが確保されます。 4. コンセンサスアルゴリズム ブロックチェーンネットワーク内のノードは、トランザクションの妥当性を確認し、新しいブロックを追加するためにコンセンサスアルゴリズムを使用します。有名なコンセンサスアルゴリズムには、Proof of Work(PoW)とProof of Stake(PoS)があります。PoWでは、ノードは競争的に数学的な問題を解き、最初に解答を見つけたノードが新しいブロックを追加できます。PoSでは、ノードは一定量の仮想通貨をステーク(担保)し、ステークの割合に応じて新しいブロックを追加できる権利を得ます。コンセンサスアルゴリズムは、ネットワーク全体で一貫性と信頼性を維持するのに役立ちます。 ブロックチェーンとビットコインの違い ブロックチェインと言えば、「ビットコイン」という言葉をよく耳にするでしょう。では、ブロックチェーンとビットコインの違いは何でしょうか? 上記の説明のように、ブロックチェーンは、データを連鎖的に繋げて記録する分散型台帳技術です。一方で、ビットコインはブロックチェーン技術を基にした最初の仮想通貨であり、中央銀行や政府とは独立して運用されます。ビットコインの主要な目的は、ユーザー間でのデジタル通貨の送金です。ビットコインのトランザクションは、ブロックチェーンに記録され、取引の透明性とセキュリティを提供します。 要するに、ブロックチェーンはデータの安全な記録と透明性を提供する分散型台帳技術であり、ビットコインはその最初の実用例の1つであるデジタル通貨です。 ブロックチェーンの種類 パブリック型 特徴:パブリック型ブロックチェーンは、誰でも参加でき、データにアクセスできる完全にオープンなネットワークです。誰もがトランザクションを検証および追跡でき、新しいブロックを追加できます。 メリット: 透明性と信頼性: データが完全に透明で、改ざんが困難 分散化: 中央機関が不要で、参加者は均等な地位を持つ セキュリティ: ネットワーク全体でデータが保護される デメリット: スケーラビリティ: 大規模なトランザクション処理が難しいことがある パフォーマンス: データの確認に時間がかかる場合がある 使用すべき場合 公開されたネットワークで取引を行う必要がある 完全な分散性と透明性が必要 プライバシーが低いことを許容できる プライベート型 特徴: プライベート型ブロックチェーンは、参加者が制限され、アクセス制御が厳格に管理される専用のネットワークです。通常、企業や組織が内部で使用します。 メリット 高速処理:制限されたノード数により、高速なトランザクション処理が可能 プライバシー:データのプライバシーとセキュリティが管理される カスタマイズ:カスタムルールとプロトコルを適用できる デメリット 中央化の可能性:制御が中央化される可能性がある 信頼性の問題:ノードが制限されているため、信頼性に関する問題が生じることがある。 […]