Feb 3, 2023
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情報技術は止まらず発展を遂げており、あらゆる分野・業界のビジネスに大きな影響を与えています。テクノロジー進展は新たな発展の機会を生み出す一方で、対応できない企業にとって「脅威」となります。IT関連のニーズに対応するための資金や人材が不足していることは、多くの企業が市場での競争力を失う一般的な原因であるようです。
少なくない企業はIT関連のニーズに対応するための十分な資金や人材が不足などの問題への有効なソリューションとして、ITアウトソーシングを導入することにしました。Statistaによると、2023年の日本のITアウトソーシング市場規模は556.8億円となり、ITサービス市場の中で最も大きな割合を占めると予想されています。
では、「ITアウトソーシングとは?」、「ITアウトソーシングメリットとデメリットは何でしょうか?」、そして、「どうすればITアウトソーシングを効率的に導入できるのか?」。ITアウトソーシングが最適なソリューションであるかどうかの答えを見つけましょう。
ITアウトソーシングとはITに関連する業務を他の企業・プロバイダーに委託することです。企業がIT業務の一部をアウトソーシングする場合もあります。しかし、社内にIT担当部門を持っていない企業にとって、有能で信頼できるアウトソーシング企業に、開発業務の全てを委託することが必要です。
ITアウトソーシングの種類について、分類する方法や説明・定義は様々あります。しかし、本記事では、「地域」と「外部委託する業務」に基づいて、ITアウトソーシングを下記のタイプに区分することにします。
オフショアアウトソーシング
オフショアアウトソーシングとは、日本よりコストの安い遠い海外の開発会社や 子会社に開発業務を委託することを指します。
インド、フィリピンやベトナムなどの発展途上国へのアウトソーシングは、政治的及び社会的安定、及びIT企業向け優遇税制など多くのメリットをもたらします。特に、日本のエンジニアと同等以上の技術力を持つIT人材とより低い単価で働くことができることは、品質の確保だけでなく、コスト削減にもつながります。
数あるITアウトソーシング国の中で、ベトナムは、優秀で若いIT人材、大幅なIT市場の成長、安定した政治・社会情勢など、魅力的なメリットがあることから、オフショアアウトソーシング先のトップとして位置づけられています。
しかし、オフショア開発におけるデメリットとしては、言葉と文化の壁、及びコミュニケーションの難易度が高いことです。
LTSグループは、ITアウトソーシングの先進企業として、ベトナムでのアウトソーシングの優位性と、専門知識や経験を生かし、品質の向上、コスト削減、時間短縮に役立つソリューションを届けます。ヘルスケア、建築や自動車などの様々な分野での企業をITサービスを提供し、信頼と高評価を得ました。弊社の導入事例の詳細はこちら。
ニアショア
沖縄、北海道、九州などの国内の地方都市または韓国、中国、台湾などの近い国にあるベンダーにIT業務を外注する手法です。
ニアショア開発は首都圏よりも物価の安い地方都市で開発を行うことで、コスト削減に役立ちます。しかし、この手法はオフショアほどのコスト削減を果たせないようです。また、日本でのIT人材が不足しているため、エンジニアの確保が難しいことがデメリットとして挙げられます。
オンショア
オンショアとは開発業務を国内で進めることを指します。つまり、IT業務が顧客と同じ国や地域にいるチームによって行われます。
この近接性により、コミュニケーションの問題、文化的な誤解や情報漏えいのリスクなどを最小限に抑えることができます。一方で、オフショアやニアショアに比べて、人材の採用・確保が難しく、人件費が高くなるというデメリットもあります。
近年、市場拡大や競争力強化のため、日本に支社を開設するITアウトソーシングベンダーが多く見られるようになりました。支店は本社と日本のお客様との橋渡しの役割を果たします。これにより、両方の連携がよりスムーズになり、日本のお客様もオフショア開発センターと同じような価値と人材面でのメリットを得られます。
LTSグループの日本支店であるLTSジャパン詳細についてはお気軽にご連絡ください!
形態 | 内容 |
フルアウトソーシング | フルアウトソーシング は企画から要件定義、開発、運用まで、すべてをアウトソーシングすることです。 |
運用 | 運用アウトソーシングは自社のサーバーやOSなど、ITインフラの運用をアウトソーシングすることです。 |
ホスティング | ホスティングアウトソーシングとは、社外に設置されたサーバーやストレージの準備・運用・保守を外部に委託することです。 |
ハウジング | サーバーや通信機器などをベンダーのデータセンターに間借りする形態です。 |
モルドール・インテリジェンスによると、2021年の世界のITアウトソーシング市場は5,266億米ドルで、2022年から2027年(予測期間)の間に年平均成長率(CAGR)4.13%を記録し、2027年までに6,823億米ドルに達すると予想されています。
世界におけるITアウトソーシング市場は、成長し続けていることが考えています。ITアウトソーシングの需要が冷え込む兆しはありません。では、ITアウトソーシングはどのようなメリットをもたらすのでしょうか。一緒に読んでみましょう!
新製品をリリースするために素晴らしいプランを作成したが、資金調達、マーケティング、販売から事業拡大まで、やるべきことが山積みになっていると想像してみよう。
しかし、十分なリソースがない、あるいはチームを作れないために、製品のリリースが間に合いません。そのような場合、アウトソーシングは適した解決策かもしれません。
さらに、ノンコア業務に担当する人員を削減することで、採用や人事評価がしやすくなるというメリットもあります。
ITアウトソーシングが企業にとって魅力的なソリューションとなるメリットの1つはコスト削減です。
まず、ITアウトソーシングは人材育成・雇用コストを削減することに役立ちます。 人材が採用され、研修を受けるとすぐに辞めてしまう場合もあります。これでは、育成・雇用にかかる時間と費用が無駄になるだけでなく、離職率も上がってしまいます。
さらに、オフショア開発国をはじめとする海外のプロバイダーに委託する際に、価格差のメリットにより、人材の採用コストを大幅に削減できる可能性があります。
オフショア開発のメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ITアウトソーシングの導入は、世界中の人材プールにアクセスする素晴らしいチャンスです。 日本は深刻な少子高齢化という社会問題に直面している国です。その上、物価の上昇、IT市場の競争激化、 日本人の海外流出進むなどのため、これまで以上に自社内の高度なスキルを備えたITチームを構築することが難しくなっています。
アウトソーシングする時、メンバーを厳選して、適切な価格とITスキルを持つチームを編成することができます。ITアウトソーシング・ベンダーは、様々な分野の多様なプロジェクトに携わり、優れたIT人材を擁しています。これにより、ご要望に迅速に対応し、高品質な成果を約束することができます。
新しい技術は日々進化しているため、定期的に最新技術をアップデートすることが必要です。テクノロジートレンドを素早くキャッチアップできるチームが社内にあれば素晴らしいことです。
しかし、それがない場合は、適切なスキルとトレーニングを積んだ人材を採用する必要があります。この段階には時間がかかり、また、先に述べたように社員がすぐに辞めてしまうなどのリスクもあります。これでは、技術トレンドを素早く追いつき、市場での優位性を生み出すことは不可能です。
最新のIT技術に取り組める優秀な人材を抱えるアウトソーシングプロバイダーは、あなたの会社が遅れを取らないようにお手伝いします。
ガートナー社の調査で、テクノロジーおよびサービスプロバイダーのほぼ50%が、最近の製品発売を延期または中止していることが示されています。
ITアウトソーシングベンダーに委託することで、従業員の検索、選択、面接、テストに時間を費やす必要がないので、プロジェクト完了の時間が短縮されていきます。また、変化するニーズに対応する戦略を立て、実行するためのリソースを確保することができます。
ITアウトソーシングでは、現在のビジネス状況に合わせ、チーム規模を柔軟に調整することができます。スペシャリストが取り組むべき仕事がない場合にはスペシャリストの数を減らし、ビジネスを拡大したい場合にはチームを拡大します。
魅力的なメリットの一方で、アウトソーシングには問題があることもあります。アウトソーシングを行う際のリスクを理解することで、より高い成功率を得ることが可能です。ここでは、アウトソーシングを行う際によくある問題をいくつかご紹介します。
セキュリティ上の問題が起こる:これは多くの企業が外注を躊躇する問題です。アウトソーシング・プロバイダーと協働するときには、ビジネス・データを提供しなければなりません。機密保持契約をしっかり結んでおかないと、重要なデータが流出し、会社に大きな損害を与えます。
コストが削減できるとは限らない:ITアウトソーシングを導入する際、インフラコスト、管理コスト、手戻りコストなどの追加コストが発生する可能性があります。また、何らかの変更は費用対効果の低下を招くことにつながります。
最終的には、発注側の提案や資金計画にも悪影響を及ぼしかねません。したがって、トータルコストを比較し、必要であれば調整することが大切です。
プロジェクトとチームの管理が難しい:アウトソーシングする時、直接一緒に仕事をする機会がほとんどありません。日常的な監督やプロジェクトの進捗管理に対するあなたの干渉は、より限定的なものになるでしょう。
コミュニケーションの問題に直面する:ニアショアやオフショアでは、言語の壁や地理的な違い、労働時間の問題に直面します。オンショアでは、社内チームとアウトソース・チームとの間で、正しい仕事の進め方を見つけることが困難な場合があります。共通の声が見つかれば、仕事の成果も向上するはずです。
社員にITノウハウが身につかない:IT業務に限らず、アウトソーシングを行うと、社員は業務ノウハウを身につけられません。そのため、長期的なアウトソーシングは依存度を高めてしまいます。すぐには難しくても、その分野のノウハウを長期的に蓄積できるような仕組みを考えましょう。
もし、本当にITアウトソースが必要なのかどうかわからない場合は、下記のサインを参考に、アウトソースのベストタイミングを判断してください。
コスト削減が必要: ITアウトソーシング会社は、社内スタッフを雇用するコストを完全に排除し、同じかそれ以上の利益を提供します。
適切なIT人材が不足する:プロジェクトに適したIT人材を採用することが難しい場合があります。さらに、技術的な仕事は一時的 に行われるため、IT人材の雇用と確保に時間や 手間を割かない企業も少なくありません。
締め切りが厳しい:適切なタイミングで適切な結果を出すことが、成功と失敗の分かれ目になります。ITアウトソーシング・ベンダーは、ITチームを迅速に構築して、タスクの完了や製品の納期の期限を守ることができます。
管理業務に時間と労力がかかりすぎる:ITチームの編成や管理に時間を取られ、他の業務に集中できないときは、集中力を高めるための腕の見せどころです。100%自分のコアビジネスに集中します。
重要でないIT機能が多すぎる:システム障害処理、データセンター、クラウド・ストレージなどは、しばしば非中核業務とみなされます。これらのIT機能は、企業の戦略的な業務とは関係がないため、業務委託した方がよいでしょう。
アウトソーシングを導入する必要性を評価した後、問題や損害を最小限に抑えるために、考慮しなければならない要因や答えなければならない質問もたくさんあります。
ITアウトソーシングの目的を決定することは、人材や 資金計画、アウトソーシング先、ITアウトソーシングモデル、 契約形態などの選択に大きな影響を与えるからです。
また、戦略的かつ重要な目的を明確に定義することで、問題が発生したときに業務がうまくいかないような判断や解決策を講じることができるようになります。
どのような IT 業務をアウトソーシングするか、 どのような IT アウトソーシング・モデルを選択するかは、 設定した目標に基づいて決定する必要があります。
コスト削減を最優先するのであれば、 オフショアは最適な選択となるでしょう。セキュリティや言語の壁といったリスクはあるものの、コストや人材面で魅力的なメリットがあるため、多くの日本企業を惹きつけています。
そしてベトナムは、日本企業にとって最も魅力的なオフショア先のひとつです。 以下の記事で、ベトナムでのオフショア開発のメリットをご覧ください。
また、ITアウトソーシングを利用する際には、アウトソーシングの契約形態を選択する必要があります。一般的には、2つの契約形態があります。
請負契約は受注者が指定した仕事を請け負い完成させる契約です。発注者はその仕事の結果に対して報酬を支払います。
請負業者は、作業工程や作業員の管理だけでなく、成果物の完成にも責任を持ちます。したがって、報酬は、契約書に規定された所定の機能・品質の成果物を納期通りに完成させ、検収を受けた後に支払われます。
準委任契約は、受注者が発注者から要求された特定の行為を請け負う契約形態を指します。
この契約形態では、受注者は作業員の管理や作業工程に責任を負いつつ、最終成果物に関する責任は発注側(委託元)にあります。報酬は作業の完了に対してではなく、特定のタスクの提供に対して支払われます。作業期間の終了に伴い、契約も終了します。
派遣契約は技術者を顧客企業の業務に従事させることを目的とした契約です。技術者は、サービスベンダーからではなく、お客様から仕事の指示を受けます。
このモデルは、短期間のプロジェクトに最も適しています。作業の進捗状況、ドメイン、プロジェクト知識のトレーニングなどを完全にコントロールすることができます。
スタッフ増強のための支払いは、専用チームのITアウトソーシングモデルと同じであり、つまり、スタッフは毎月支払われるべきです。
ウォーレン・バフェットは、「価格とは、あなたが支払うものである。価値とは、あなたが得るものである。」と言いました。
ですから、時間とお金を無駄にしないためにも、適切なベンダーを選ぶことが大事なのです。下記は、自社に最適なプロバイダーを見つけるために頼りになるポイントです。
専門的な知識と技術面での自社の要求に満たす可能:ベンダーの能力を評価するためには、最初の打ち合わせで全体の能力や価格を把握することに加え、インタビューを設定することも必要です。インタビューを通じて、技術的な能力だけでなく、ヘルスケア、建設など特定の分野における専門的な知識についても、候補者の能力をよりよく理解できるようになります。面接は何度か行われることもあります。その後、チーム全体のパフォーマンスを評価するために、試験的に導入できるようにすることも重要です。
実績、専門性:ベンダーの得意な業務によって、適切なアウトソーシング業務が異なります。 ベンダーとの打ち合わせで得られる情報だけでなく、自社のWebサイトやソーシャル・チャンネル、信頼できる企業の評価サイトなどを通じて、アウトソーシング・プロバイダーを評価するのがよいでしょう。
コミュニケーション能力:オフショア開発の課題のひとつに、言語の壁があります。外国人を相手にするかどうかはさておき、日本人同士のコミュニケーションで誤解が生じることはよくあるようです。したがって、アウトソーシング・チームが、お客様の要求を満たすだけの日本語能力を備えているかどうかを確認ください。
セキュリティ:アウトソーシング・ベンダーと一緒に業務すると、個人情報や商業データを預けることになります。これは、アウトソーシングの欠点でもあります。秘密保持契約書(NDA)は、データの利用や転送などに関するすべての要件を定めた文書です。
ソフトウェアの企画、開発、テスト、保守、アップグレートなど、企業がアウトソーシングできるIT業務や機能は様々です。企業の状況や計画に応じて、企画から運用までのフルアウトソーシングや、業務の一部をアウトソーシングすることも可能です。
「ラボ契約・ラボ型開発」とは、半年や1年程度の一定期間で仕事量が最低限保証された契約のことを指します。ラボ契約は作業要員と期間をベースにしたので、契約形態でいうと準委任契約になります。ITアウトソーシング企業ーは、顧客の要件に適したスキルを持つ専属チームを提供します。契約期間中、専属チームは発注者の要件・指導のもとにプロジェクトを進めていきます。
上記のITアウトソーシングに関する情報により、ITアウトソーシングがどのように機能し、ビジネスにどのような利益をもたらすのか、 基本的な考え方がつかめるでしょう。
ITアウトソーシングは、万能のソリューションではありません。しかし、適切なタイミングで、適切な方法で適用することができれば、コストや人材の問題を完全に解決し、事業展開を強力に推進することができるのです。
「ITアウトソーシングのメリットについて、まだ迷っているのですか?」、または、「信頼できるITアウトソーシング・サービス・プロバイダーをお探しですか?」。もし、上記のようなお悩みや疑問をお持ちでしたら、ぜひ一度、LTSグループの専門家にご相談ください。
弊社の確かな経験と実績が、お客様のITアウトソーシングのメリットを最大限に引き出し、既存の課題を克服することをお手伝いします。
LTS Group is always here to support you!
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山下さんは、テクノロジーに関する最新トレンドと知識を共有することに情熱を傾けるライターです。洞察に富んだ記事を執筆している時間以外で、居心地の良いコーヒーショップを探索し、美味しい料理を楽しむ冒険に出かけます。もしベトナムを訪れる機会があれば、この美しい国のの文化にとどまらず、it市場についての深い洞察を提供するパートナーとなるはずです。さあ、コーヒーを啜りながら、山下さんの記事を通じて一緒にテクノロジーの世界を探索しましょう!山下さんへのご質問やご意見がございましたら、お気軽に yamashita@ltsgroup.tech までご連絡ください。
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